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エーミング調整のターゲットボードを自作で作ってみた【特定整備】

どうもこんにちわ 昨今、道路運送車両法の改正により特定整備制度が令和2年4月より施行されます。

 

 

施行内容の詳細記事はこちらより

 

 

 

特定整備の中で一番関係性が深いエーミング調整作業を行う為にはメーカーごとに専用の工具を用意しなければなりません。

 

各メーカーごとにSST(特殊工具)をそろえるのは費用的に厳しいので今回はなるべく安く代用ができるものはないかと考え、自作でカメラ調整に必要なターゲットボードを作成してみました。

 

 

他のメーカー(一部)でもターゲットを変えれば応用がききますが今回はトヨタ車のターゲットボードを作成してみました。

 

 

 

ちなみに純正のターゲットボードはこんな感じです。

ターゲットボードはトヨタ部品から購入することができ費用は数万円です。

 

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ターゲットボードの条件

 

修理書で調整方法を確認しどのようなものであればターゲットになりうるものなのかということを確認しました。

 

 

・ターゲットを正しい位置に張り付けることができる

決められた位置取り付けられないと正確にエーミング作業が行えません

 

・高さを調整することができる

車種によって高さが異なっているので高さの調整を行えるものでなくてはいけません

 

・光の反射物や光沢があるものではない

反射をしてしまうと正確にエーミング作業が行えなくなってしまう可能性がある為です

 

・簡易的に左右に動かすことができる

トヨタ車の場合、左右に動かして数回ターゲットを認識させる必要がある為、簡易的に動かす必要があります(種類によっては動かさないでもできます)

 

 

 この条件を満たしてなお且つ、費用を抑えられるものはないかという思考で考えてみました。

 

 

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考えたアイディア

 

1、高さ調整ができる棒ということでつっぱり棒で作成できないかと考えました。

 

 

→丸い部分に安定してターゲットを固定することが難しいと感じたのと安定して棒を立てる方法も思いつかなかったので断念しました。

 

 

 

 

 

 

2、高さの調整ができてターゲットを置けるものとして楽譜を置くスタンドならばいけるのではないかと考えました。

 

 

→商品の性質上ターゲットを垂直におくとこがギリギリできないと判断をして断念しました。

 

 

 

 

 

3、楽譜面の応用でマイクスタンド系の商品ならば高さ調整ができて垂直にもなるので行けると思い検討

 

→スタンドの角度的に縦の棒だけではできないので付属アイテムや設定するまで費用や手間がかかってしまうので断念

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自作ターゲットボードに使ったアイテム

 

 

いくつかの断念アイディアを得て最終的に私が行きついたのはこのアイテムです

 

 

 

 

 

IPad、タブレットなどを固定する三脚付きのスタンドです。

 

これだと上記であげたターゲットボードの条件をすべて満たすことができます。

 

 

購入したものがこちらなので写真を入れておきます。

 

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自作ターゲットボードの作成

 

 

作成は簡単♪

ターゲットを作成をして張り付けるだけです。

 

ターゲット作成

 

ターゲットを既定のサイズに印刷をして段ボールに張り付ければOKです。

 

トヨタのターゲットボードがこちらです。

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修理書より引用

 

 

これを拡大縮小でサイズを変更して1辺を18センチになるように印刷します。

 

 

修理書などで印刷をしただけでは修理書のサイズにはならないので注意しましょう

 

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これを切り貼りして段ボールに張り付けます。

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↑表

 

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↑裏

 

 

 

これでターゲットが完成です。

 

トヨタの種類によってはこのターゲットを3つ横につなげて一回で認識するタイプのものもありますので修理書を参考に作成をしてみてください。

 

 

 

スタンドにターゲットを張り付ける

 

 

後ろにマスキングテープなどでこんな感じに貼り付けます。

 

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その際取り付け位置などは垂直の定規、水準器などを使用して正確な位置に取り付けましょう。

 

 

取り付け角度、センター位置に注意してセッティングを行うようにしましょう

 

 

 

 

 完成☆

 

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ちなみに高さを最大まで伸ばすとセンター位置で140センチくらいの高さになります。

純正のsstのサイズも最長140センチくらいだったので基本的にはどの車両も使えるかと思います。

 

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まとめ

 

以上がエーミング調整のターゲットボードを自作で作ってみたの内容でした。

 

エーミング調整はこれから必須の作業になると思います。ですが毎回調整する作業ではありません。

各メーカー全ての専用工具を取りそろえるのは大変だと思いましたので今回。整備士DIY的なアイディアでなにかできないかと思い作ってみました。

 

 次回はミリ波レーダーのsstも自作で作れないか検討してみようかと思います。

 

誤った認識、やり方でエーミング調整を行ってしまうとお客様を危険にさらしてしまう恐れがありますので作業を行う際は修理書をよく確認をしてから行うようにしましょう。

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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