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O2センサー(A/Fセンサー)はなぜ2つ付いているのか? 理由を解説

どうもこんにちわ 今回はO2センサー(A/Fセンサー)が車両に2つ付いている理由を解説します。

 

2つ付いていることによって点検時に留意することも記載してありますので参考にしてみてください。

 

 

前置き

車両によって、O2センサーが2つついているもの。A/Fセンサーが2つついているもの。O2センサーが1つ、A/Fセンサーが1つついているもの。と、様々ですが基本構造は変わりませんの今回はO2センサーが2つ付いている車両で解説をします。

 なので今回O2センサーが1つのみ付いている車両は関係ありません。

 

 

 

O2センサーとは?

 

O2センサーは、排気ガス中に含まれる酸素濃度により出力電圧が変化し、空燃比が理論空燃比より濃い(リッチ)か薄い(リーン)を検出するセンサです。

 

 

 

O2センサーの役割

 

 

O2センサーとは?で説明をした理論空燃比より濃い(リッチ)か薄い(リーン)の情報をエンジンコンピュータへフィードバックするのが役割となっています。

 この情報を使い(他の情報も含めて)燃料噴射量の補正を行います。

 

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O2センサーの取り付け位置

 

センサーの取り付け位置はマフラーの触媒の前方と後方の2箇所に取り付けられています。

 

↓触媒前方のO2センサー

f:id:tomen1001:20191212170358j:plain

 

↓触媒後方のO2センサー

f:id:tomen1001:20191212170349j:plain


 

 

 O2センサーが2つ付いている理由

 

 

O2センサーが2つ付いている理由は結論から言うと空燃比のばらつきを抑えるためです。

 

 

上記の役割で説明したリッチかリーンかの情報の精度を高めるために2つ付いています。

 

具体的には触媒の前側についているO2センサーで空燃比のフィードバック制御を行い、理論空燃比に近づくように制御を行っています。

この触媒の前側についているO2センサーのばらつきを抑えるために触媒

後側に付いているO2センサーで空燃比制御の補正を行っています。

 

 

補正を行うことで空燃比のばらつきが小さくなり最適な制御を行うことができます。

 

 

 

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点検時に留意すること(失敗例)

 

 

この補正を理解していないとやってしまいがちなのが空燃比系のトラブルシューティングでO2センサーが怪しいとなったときにちゃんとO2センサーが動いているかデータモニターで確認をしてみると・・

 

f:id:tomen1001:20191212170320j:plain

 

こんな感じでデータが表示されて

 

 

O2センサー1つ動いてないやん!?とりあえず交換や!!→直らず

 

みたいなことをしてしまうことがあります。

 

・・・すみません。新人の頃やったことがあります・・OTZ

 

 

後ろ側のO2センサーは前側のO2センサーの補正を行っているだけなのでアイドリング時などではあまり変化しません。

 これを動いていない=壊れている

と勘違いをして誤審をしてしまうという流れです。

 

 

 

 

 

ちなみにアクセルをいれてみると・・

 

f:id:tomen1001:20191212170330j:plain

 

 

このように同じタイミングで変化しますのでとりあえず補正は行えているのかな?と判断することができるかと思います。

 

 

 診断機にもよりますがアクティブテストで燃料噴射量を変化させグラフで点検することができれば点検しやすいですね。

 

 

 

まとめ

 

今回はO2センサーが2つ付いている理由についてまとめてみました。

 

点検時に留意することで書いた私が過去にしてしまった失敗は、私以外に同じ失敗をしてしまったことがある。と講習で聞いたことがありましたので書いておきました。

 

新しい車は触媒の前側、後側も空燃比センサ(A/Fセンサー)が付いていることが多いですが基本構造は変わりませんので点検時などの参考にしていただければと思います。

 

 

おわり

 

 

 

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